VOC(Volatile Organic Compounds)とは、蒸発しやすく大気中で気体となる「揮発性有機化合物」の総称です。
身近なところでは、塗料、印刷インキ、接着剤、洗浄剤などで有機溶剤として使用されており、代表的な物質としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メタノール、ジクロロメタンなど約200種類の物質があり、その中には発がん性物質など人体に有害な影響を及ぼすものも多くあります。
このVOCは、大気中の光化学反応によって大気汚染の原因となる光化学オキシダントやSPMを生成することが分かっています。
光化学オキシダントは、光化学反応により生成するオゾン等の酸化性物質で、光化学スモッグの原因となり、目、のどへの刺激・呼吸器への悪影響、植物への影響が指摘されています。またSPMは、大気中に浮遊する粒子径が10マイクロメートル以下の微粒子で、呼吸器への沈着によって人体に悪影響を及ぼすことが懸念されています。
VOCの排出量を削減することにより、光化学オキシダントやSPMの環境濃度低減を図り、ヒト健康へのリスクを間接的に低減するために、2006年4月より改正大気汚染防止法によってVOC規制が行なわれるようになりました。
この法律による規制の対象施設は、VOC排出量が多いと思われる代表的な施設類型として、以下の6つに定められています。
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