黄砂対策には、黄砂影響地域の被害を緩和することを目的とする短期的な対策である予報・警報と、黄砂の発生・発達過程そのものを改変し、黄砂の発生自体を抑制することを目的とする長期的な対策である発生源地域の保全など様々な取組みがあります。
さらに黄砂は、国境をまたぐ環境問題であることから地域別の対策として、発生源地域における対策と影響地域における対策が必要となります。
発生源地域である中国では、砂漠化の進行により新たに土壌の劣化や植生の減少によって飛砂の発生源となっている地域を対象に、「自然保護区の設定により、植被破壊を防止し、植生の自然回復を図る。」「防護林による砂丘の固定化を行う。」「発生源地域の砂の移動の管理(草方格、空中播種等)を進める。」等の対策が行われています。
日本では、黄砂の発生をいち早くとらえ、その発達状況・移動状況を把握して、黄砂の規模と強さを予報し、また早期警報を行い住民への注意喚起を促すため、中国大陸北西部から日本列島に至る広い範囲で、黄砂観測網の整備が取り組まれています。
今後も、関係国と連携して観測データの共有化に努め、北東アジア地域における黄砂モニタリングネットワークの整備及び早期警報システムの構築を進めていくことが計画されています。
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