集中豪雨や地震などによって、山間部を中心に発生する土砂災害。がけ崩れや地滑り、土石流等がよく知られていますが、これらは崩壊の形態を表す用語で「表層崩壊」といわれる山の表面を覆っている落葉層や土壌層等の地表部分が崩れ落ちる現象です。
これにて対して「深層崩壊」とは、地表部分だけでなく山の内部の岩盤から崩壊する土砂災害のことをいいます。
つまり表層崩壊に対して、深層崩壊は土壌の崩壊範囲が広範囲に及び、それに比例して被害も大きくなる傾向にあります。
この深層崩壊は、地下水と地層を形成する風化層・岩盤内の亀裂や空洞が原因となって発生します。集中豪雨や地震による影響などで地層内の亀裂に水が溜まり、内部の水圧上昇によって土壌が崩壊していきます。 温暖化に伴う集中豪雨などの降水量増加も、深層崩壊が発生する原因の一つとなっています。
表層崩壊に対する予防策として樹木などを植えるなどして表層を固定する方法が取られてきましたが、 深層崩壊では具体的な予防のための対策がなく、地層と地下水の調査で地形の危険性を前もって知ることや、豪雨発生時に早めの避難が重要とされています。
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