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マグネシウムは、用途に応じて、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、希土類などの添加元素を加えて多様な特性を持たせたマグネシウム合金として利用されています。この合金は比重がアルミニウム合金の2/3,鉄の1/4で、プラスチック(樹脂)よりは比重が大きいものの、重量あたりの強度や曲げ弾性率が高いという特性があります。つまり、同じ強度を満たす部品を作った場合、マグネシウム合金はプラスチックより軽く作ることができます。
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またプラスチックに比べて、電磁波の吸収や熱伝導、放熱性が高いことから、熱に弱いICを守ったり、電波を出す部品をシールドする意味合いで、携帯電話やノートパソコンの筐体として利用されています。
さらに、マグネシウムは地球上に豊富にある元素で、リサイクル性が高いため、今後の加工技術の向上や生産コストの低下により、プラスチックに代わる次世代の素材としても活用分野の拡大が注目されています。
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重量比較用金属棒サンプル(左からアルミニウム、銅、鉄、マグネシウム) |
参考資料:日本マグネシウム協会
参考資料:マグネシウム合金のお話:いばらきバーチャル科学博物館
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実用金属の中で最も軽いマグネシウムは、多くの優れた長所があり、合金の構造材として幅広い利用が期待されていますが、いくつかの問題点もあります。一つは、変形しにくい合金でありながら一定以上の圧力が加わると折れてしまうことです。
これは、金属素材として形を変えて加工する場合(プレス加工)に問題となります。このため、アルミニウムよりも生産性が低くなりコストが割高になる傾向があります。
また、「加熱されたときに酸化しやすい」、「水に濡れると腐食しやすい」などの問題点もあります。
こうしたマグネシウム合金の問題点は、新しい加工技術の開発、低温での加工、表面処理などによってある程度解消されています。
問題点の解消や生産効率の向上もあり最近では、部品の軽量化、燃費効率向上、CO2排出量削減などを目指す自動車業界で、マグネシウム合金を利用した自動車部品の採用が増えています。
さらに、マグネシウム合金の問題点を解消して、利用価値を高めるために全国各地において、地域の業界団体や自治体で、大学や研究機関の協力を得ながら事業化推進活動が行われています。
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マグネシウムの研究が行なわれている「名古屋市工業研究所」(愛知県名古屋市)
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参考資料:マグネシウムで新しい製品分野を開拓しよう-マグネシウムとその合金-
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