例えば、道路や空港、ダム、発電所などの施設を建設する大規模な開発事業は豊かな暮らしのためにも必要なことです。しかし、こうした開発事業によって周囲の環境に悪影響を及ぼさないために、利益や事業の採算性だけでなく、環境の保全についてもあらかじめ考えておくことが重要です。
そこで、対象事業を実施する事業者自らが計画決定の前に調査、予測、評価を行い、その結果を公表して住民、地方公共団体などから意見を聴き、それらを踏まえて環境の保全の観点からよりよい事業計画を作り上げていくのが「環境アセスメント(環境影響評価)制度」です。
環境に大きな影響を及ぼすおそれのある事業について環境アセスメントの手続きを定め、環境アセスメントの結果を事業内容の決定に反映させることにより、事業が環境の保全に十分に配慮して行われるようにすることを目的として環境影響評価法という法律が定められています。
また、地方公共団体においても、環境影響評価法と同じような考え方で環境アセスメントに関する条例が定められているところもあります。こうした地方公共団体の条例は、地域の特性に合わせた特徴のあるものとなっています。
実際に事業者が対象となる開発計画についての環境アセスメントを行う際の大まかな流れは、以下のようになります。
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