私たちの豊かな暮らしを直接的、間接的に支えている様々な金属資源。日本はこうした金属を産出する鉱山が少ない小資源国であり、その多くを海外からの輸入に頼っています。
しかし、ちょっと視点を変えてみると日本国内には豊富な金属資源が眠っており、世界でも有数の資源大国といわれています。
その重要なポイントとなるのが「都市鉱山」という概念です。使い終わって廃棄された家電製品や携帯電話などを潜在的な金属資源の宝庫と見なすものです。つまり、廃棄物の中から金属資源を分離・回収して再利用する事で、輸入に頼らずに金属資源を利用できる可能性が注目されています。
都市鉱山から確保できるとされている金属資源は鉄や銅などの一般的な金属、金や銀などの貴金属だけでなく、先端的な工業原料や工業製品をつくるために欠かせないレアメタル(リチウム、チタン、コバルト、ニッケル、希土類元素など)も含まれています。
電子・電気産業や自動車産業を基幹とする日本にとってこうした金属資源を国内で確保できる事は大きな利点となります。
しかし、現段階では都市鉱山は潜在的な可能性を示しているだけで、実用化に向けてはまだ多くの課題を解決するための技術開発と仕組みづくりが必要といわれています。
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