海の表面は、太陽の熱によって暖かい状態にあります。一方で深海には太陽の熱は十分に届かずに常に冷たい状態で安定しています。このように同じ海水でも表面と深海では、温度差があります。この温度差を利用して熱エネルギーから電気を作るのが「海洋温度差発電」です。
その方法は、まず海面付近の暖かい水を利用して作用媒体となる液体のアンモニアを暖めて気化させて蒸気を作ります。この蒸気の力で発電機のタービンを回して電気を作ります。その後、蒸気のアンモニアを深海の冷たい水で冷やして液体に戻します。液体に戻ったアンモニアは再び暖かい海水で蒸気化されます。これを繰り返して発電するのが、海洋温度差発電の仕組みです。
つまり熱エネルギーを利用して液体を気体化させて、その気体の力でタービンを回す基本的な発電の仕組みは、火力発電、原子力発電、地熱発電などと同様です。
ちなみに、この発電方式は、水の温度差が15度あれば発電が可能とされており、赤道直下を中心に北緯40度〜南緯40度のエリアにある海洋が対象となるそうです。
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