太陽熱発電でより効率的な発電を行うためには、日照時間が長く十分な熱量を得るためのより広い受光面積の設備を配置できる広大な土地が必要となります。
そのため、太陽光がたくさん降り注ぐ赤道直下が最適というイメージもありますが、実はそうではありません。赤道直下では雨がよく降る熱帯雨林が多いため、実際にはアメリカ中部から西南部、アフリカ北部、中東、オーストラリアなどが適地とされています。
世界最大の太陽熱発電所は、アメリカ・カリフォルニア州のモハベ砂漠にある「SEGSプラント」で、1985年の発電開始以降増設を重ね、35万kWの出力を誇っています。
また、2003年にはEU(欧州連合)、中東や北アフリカなど地中海周辺の国々の政府系機関や産業界が参加して再生可能エネルギーの利用を目指すコンソーシアム「TREC」を設立されています。この組織では、地中海沿岸の地域で再生可能エネルギーによる発電をして、送電ロスが無い直流送電網でEUに供給することが計画されています。
その発電設備の中心となるのがサハラ砂漠に設置される太陽熱発電です。年間日射量が多いサハラ砂漠では、254km四方に太陽熱発電施設を敷き詰めたとすると、世界全体で使用する分に相当する電力が賄えるとの試算もあります。
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