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植物を原料に作られるバイオエタノールは、簡単に再生産が出来るので、将来資源がなくなる心配がなくなります。 バイオエタノールは原料の植物が成長段階で吸収したCO2を大気中に再放出していると考えられており、燃焼によって新たなCO2を増やさないカーボンニュートラル(環境中の炭素循環量に対して中立)な燃料と見なされています。 石油や石炭など埋蔵されている特定地域だけで産出する地下資源とは異なり、原料となる植物を育てられる農地があれば、どの国や地域でも繰り返し生産して十分な量の資源を確保することが出来ます。
しかし、今後使用量が増えていくと、本来食料となる農産物の生産地で、バイオエタノール原料の生産が行われるなどの要因から、世界規模での食料不足が発生したり、食料価格が高まったりします。また、農地不足を解消して新しい農地を確保するために、森林が開発により失われる等の数多くの問題が考えられています。 さらに長期的には農薬等による環境汚染の拡大、土地の砂漠化、水不足などいくつかの環境への影響も予想されています。
参考資料:農林水産省/バイオエタノールとは、どのようなものでしょうか。
現在アメリカやブラジルで主流となっている、トウモロコシやサトウキビを原料とするバイオエタノールは、世界的な食料価格上昇の原因の一つとされています。 こうした世界規模の食料問題の解決策として、雑草や稲ワラ等の植物廃材を材料としたバイオエタノールの量産技術の研究が国内で進んでおり、近い将来には実用化されるようです。 廃棄物として捨てられる植物廃材を原料として利用すると、農地での原料生産が不要で、食料価格等にも影響を与えずにバイオエタノールの大量生産が可能となります。 すでに、アメリカ、カナダ、タイ等の外国では麦ワラ、廃木材、サトウキビのしぼりかす等の植物廃材を原料とするバイオエタノールの生産が、実用化されています。
参考資料:日本経済新聞2008年4/30「ガソリン代替のバイオエタノール」