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 アラスカ、カナダ、ロシアなどでは、地球温暖化の影響により永久凍土が融け出して地盤が弱くなり、建物や森林の樹木が傾く等の深刻な被害が報告されています。
 また、大昔の植物や動物が有機物として腐らずに保存されている永久凍土が融けることにより、それらが細菌等に分解され温室効果ガスの「CO2」や「メタン」が発生する要因にもなっています。
 これは化石燃料の燃焼によるガスの排出以上に大きな影響を地球環境に及ぼし、地球温暖化をさらに加速させる可能性があるともいわれています。
 このように永久凍土と地球温暖化の間には、深く複雑な関係があります。

【シベリア地域の断面概念図と水循環】
出典:地球観測フロンティア研究システム紹介/シベリアの積雪・凍土・森林と気候

参考資料:永久凍土の融解 
参考資料:凍土融解 メタンの脅威 : 環境ルネサンス : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 

 アメリカの国立大気研究センターの試算では、地表から約3mの深さにある永久凍土層のうち、2050年までに半分以上、2100年までに約90%が融けると予測されています。
 永久凍土は深いところでは地下数百mにまで及んでいるところもあり、全ての永久凍土が融けて1/10になるわけではありません。
 しかし、地下約3mまでの浅い部分の永久凍土が融けても、そこに含まれる有機物が分解されることでメタンガスや二酸化炭素が発生して、地球温暖化が急速に加速する可能性があります。
 また、地盤沈下発生により建物や道路、施設などに影響が及ぶと共に、永久凍土の上に生えている森林やその地域に棲む動植物など生態系にも大きな影響があると考えられます。
 こうした永久凍土が融け出す問題については、現在もまだ研究が進められており、今後の有効な対策が期待されています。

【デナリ国立公園(アラスカ)の永久凍土】
出典:群馬大学インターネット火山博物館

参考資料:NEDO海外レポート:2100 年までに北極地域の永久凍土表層がほとんど融解(米国)(PDF) 


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