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 世界的な森林面積の減少や森林の状況の劣化が問題視され、森林の有する多面的な機能を持続的に発揮させる持続可能な森林経営の推進が求められる中で、行政や企業から独立した第三者機関が、森林管理や林業経営が設定された水準に達して良好な状態にあるかを審査、認証する制度として「森林認証制度」が世界各地で創設されています。
 この森林認証制度には、森林を対象としたFM認証(森林管理)と、木材の流通・加工業者を対象としたCOC認証(流通・加工)の2つの認証があります。認証製品として消費者まで届くには、FM認証とCOC認証を取得した事業者の両方を通る必要があり、この過程で違法木材などの非認証材が混ざらないように管理されています。
 森林認証制度は世界に50以上あり、それぞれ認証の仕組みや審査基準が違っています。日本国内では、世界中全ての森林を対象とする「FSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)」、日本独自の森林認証制度「SGEC(Sustainable Green Ecosystem Council:『緑の循環』認証会議) 」の2種類の機関から認証を受けた森林と流通・加工業者が多くあります。また、ヨーロッパ11カ国の森林認証制度「PEFC(Programme for the Endorsement of Forest Certification schemes:森林認証プログラム)」のCOC認証を受けた流通・加工業者も増えつつあります。

出典:森林認証制度(1) - FAIRWOOD PARTNERS

参考資料:林野庁/森林認証・ラベリング 

 森林認証を取得する際には、それぞれの森林認証制度を管理する第三者機関が作成した基本となる森林管理基準に基づき、その基準と実際の現地や森林管理に関する書類などを照らし合わせて評価・認証が行われます。各審査基準を満たすことで、認証製品としてラベリングし、流通させることが出来るようになります。
 一例としてFSCの場合は、以下の10の原則が審査・認証の基準となります

【FSCの10の原則】
1.法律とFSCの原則の遵守
 森林管理は、その国の全ての森林関連法およびその国が加盟する全ての国際条約と国際的取り決めを遵守するとともに、FSCの原則と基準に沿うものであること。
2.保有権、使用権および責務
 土地や森林資源に対する長期にわたる保有や使用の権利は、明確に規定されるとともに文書化され、また法的に確立されること。
3.先住民の権利
 先住民が、彼らの土地やテリトリー、資源を所有、利用、そして管理する法的及び慣習的権利が認められ、尊重されること。
4.地域社会との関係と労働者の権利
 森林管理は、林業に従事するものと地域社会が、長期にわたり社会的、そして経済的に十分な便益を得られる状態を継続、あるいは高めるものであること。
5.森林のもたらす便益
 森林管理は、経済的な継続性と、環境や社会が享受しているさまざまな便益とを確保できるよう、森林から得られる多様な生産物やサービスの効果的な利用を促進するものであること。
6.環境への影響
 森林管理は、生物の多様性とそれに付随する価値、水資源、土壌、そしてかけがえのない、しかも壊れやすい生態系や環境を保全し、生態学的な機能や森林の健全さを維持するものであること。
7.管理計画
 森林において実施される事業の規模と内容に応じた適切な管理計画が文書化され、それに沿って事業が実施され、また、常に更新されること。また、長期的な見地に立った管理目標、目標達成のための手段が明確に掲示されること。
8.モニタリングと評価
 森林管理の規模と内容に応じた適切なモニタリングが、森林の状態、林産物の生産量、生産・加工・流通各段階、管理作業およびそれらが社会や環境に与える影響を評価するために行われること。
9.保護価値の高い森林の保存
 保護価値の高い森林の管理は、その森林の特質を維持、または高める物でなければならない。保護価値の高い森林に関する決定は、常に慎重に行われなければならない。
10.植林
 植林は、原則の1から9及び原則10とその基準とに従って計画および管理されるものとする。植林は、社会的、そして経済的便益を提供し、世界の林産物需要を満たすとともに、天然林の管理を補助し、天然林への利用圧を軽減し、その復元および保全を推進するものであること。

参考資料:岐阜県 : 森林認証制度
参考資料:森林認証制度とは(北海道)


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