熱帯雨林は日本から遠く離れた海外にあるため、あまり直接的な実感はないのですが、そこから得られる様々な恩恵は、人間だけでなく地球上に暮らす様々な生き物にとって重要な役割があります。
熱帯雨林は地球上の炭素を植物や土壌の中に蓄えて、大気中に排出されることを防いでいます。主に常緑樹で形成される熱帯雨林は大気中の二酸化炭素を吸収して酸素を放出する光合成を年間を通じて活発に行っています。こうした役割は生き物の生命活動にとっても大きく影響しています。
さらに熱帯雨林の土壌は透水性が高く、降った雨が地中深くまでゆっくり流れて浸透し、移動・蒸発するので、水源の維持や土砂災害の防止、河川の流れの安定化等の役割も果たしています。
また、世界の野生生物種の約半数が生息するともいわれる熱帯雨林からは、食料や工業製品の原材料だけでなく品種改良や医薬品開発のための遺伝子資源としても、様々な資源が供給されています。
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