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 2006年秋以降、アメリカで人工飼育されているミツバチが大量死、大量失踪する現象が報告されています。この現象は、「蜂群崩壊症候群」(ほうぐんほうかいしょうこうぐん)あるいは、CCD(Colony Collapse Disorde)と呼ばれています。
 巣箱全体の30〜90%もの大量の蜂が突然いなくなること、女王蜂や幼虫は巣に残っている場合が多いことなどが特徴とされ、巣箱の中や巣箱付近に蜂の死体が見当たらないため、詳しい原因解明も困難となっているそうです。
 こうした被害は、アメリカだけでなくカナダ、イギリス、ドイツ、スイス、スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャなどにも広がり、北半球全体で4分の1のミツバチが消えたとみられています。
 この蜂群崩壊症候群は海外だけの現象ではなく、日本においてもその影響が大きな問題となっています。日本では在来種のニホンミツバチと海外から輸入されたセイヨウミツバチの2種類が養蜂に用いられいます。ニホンミツバチに比べて長所が多く養蜂の主流となっているセイヨウミツバチにのみこの蜂群崩壊症候群が発生しています。
 実際に国内でも蜂群崩壊症候群によるミツバチの大量消失の被害が報告されています。さらに世界的なミツバチ不足の影響から、海外から輸入に多くを頼っている女王蜂の量が不足して、養蜂業界に深刻な打撃となっているそうです。

ニホンミツバチ セイヨウミツバチ

参考資料:世界的なハチの大量死、原因は複合的 国際獣疫事務局 国際ニュース : AFPBB News 
参考資料:ハチがある日こつ然と姿を消す :: エコライフ 
参考資料:農林水産省/花粉交配用のミツバチが不足していると聞きましたが、
これはセイヨウミツバチで在来種のミツバチとは違うと聞きました。どう違うのですか。 

 ミツバチは「ハチミツを集める昆虫」というイメージがありますが、イチゴ、スイカ、メロン、ナス、ナシ、リンゴ、トマト、サクランボ、ブルーベリー等の果物や野菜などの花粉交配のためにも利用されています。
 多くの植物は花が咲いても、受粉をしないと実がなりません。そのため、果樹農家や野菜農家は、受粉を行なうために交配用ミツバチの供給業者や養蜂家からミツバチを購入したりレンタルして畑やハウスに放っているそうです。
 そのため、蜂群崩壊症候群によってミツバチが減少すると、ハチミツ生産よりも農産物生産に与える影響の方が深刻と言われています。
 またその影響は、果物や野菜だけに限らず、牧草や穀物などにも及び、牛乳、チョコレート、コーヒー、バイオ燃料、綿花等の不足や価格高騰にもつながる可能性も予想されています。
 蜂群崩壊症候群によるミツバチ不足の影響に対して、農林水産省では2009年から「花粉交配用ミツバチの需給調整システム」を構築して、各都道府県都協力して園芸農家と養蜂農家の間で花粉交配用ミツバチの需給調整を行い、園芸農家の支援しているそうです。

ミツバチによるリンゴの花粉交配

ミツバチによるイチゴの花粉交配

参考資料:農家が悲鳴を上げる消えたミツバチの謎:ECO JAPAN −成長と共生の未来へ− 
参考資料:特集 花粉の運び屋たち 2011年3月号 ナショナルジオグラフィック NATIONAL GEOGRAPHIC.JP 


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