水中の栄養が増えていく「富栄養化」は、生物にとって良いことにも見えますが、ここで「栄養」というのは、植物性プランクトン等が成長するための栄養分を指しています
窒素やリンが急速に増えて富栄養化が進むと、植物プランクトンや藻が大量に発生します。そして水が濁り、見た目にも汚くなって悪臭を発生していきます。
また、植物性プランクトンの急速な増加により水中に届く太陽光がさえぎられ、水中植物が光合成をできなくなり生態系バランスが崩れ、魚や昆虫等の生物にも悪い影響を与えていきます。
さらに東京湾や三河湾などでは、増殖した植物プランクトンの死骸をバクテリアが分解する際に、海水中の酸素を大量消費する事で酸素濃度が薄くなる「貧酸素水塊」が海底付近に発生しています。この貧酸素水塊が海面に浮上する「苦潮」の影響で海洋生物の生存が困難になる環境問題もあります。
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