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 電気を通しやすい素材として、送電線などに使われている銅などの金属でも、実際に電気を流すと熱が発生してその分のエネルギーが失われていきます。これを電気抵抗といいます。
 超電導とは、特定の元素や化合物をある温度(臨界温度)以下に冷やすことで、こうした電気抵抗がほとんどゼロになる現象です。
 この現象は1911年にオランダの研究機関が、水銀を-269℃に冷やした状態にて発見し、その後チタン合金などでも同様の現象を確認されました。1987年には、-196℃の安価な液体窒素で冷やすことで超電導物質として使える酸化物が発見され、超電導の用途が広がり、現在では計測機器分野や医療分野などの様々な分野に応用されています。
 超電導のこれからの応用技術として特に期待されているものに、この技術を利用した送電ケーブルがあります。電気抵抗ゼロによる送電時の低損失化だけでなく、超電導のもつ高電流密度によって、ケーブルサイズを一気にコンパクトにし、既設のインフラを有効利用することで、送電線建設費の大幅なコストダウンを図ることができるとされています。
 このほかにも、超電導の技術はリニアモーターカーやエネルギー貯蔵システムなどでも実用化に向けた開発・研究が進められています。

出典:超電導:新エネルギー:技術解説:よくわかる!技術解説:NEDO技術開発機構

参考資料:超電導技術 

 現在送電線に使われている金属製の電力ケーブルでは、発電所から目的地に着くまでに、送電中に発生する熱などにより約4万キロワット、10万世帯分相当の電力が失われるとされています。この送電線を超電導送電ケーブルに置き換えると、送電中に失われる電力量を半分に抑えることができるそうです。
 送電時の電力ロスが減ることで、発電に必要なエネルギーを減らしたり、CO2排出量を削減できるので、その分環境への負担が軽くなります。実用化するには、液体窒素などでの冷却の必要がありますが、2010年から横浜市でこの超電導ケーブルを利用した大規模な送電実験が行われています。

 将来的には、液体窒素などでの冷却の必要がない室温超電導の実用化が期待されており、このケーブルの場合には送電時の電力ロスはほぼゼロになり、現在と同じ電力を供給するために、国内の原子力発電所数基分が不要になるとも言われています。
 また、大陸を横断する長距離の送電線や太平洋を横断する海底ケーブルを室温超電導ケーブルにすることで、海外で需要が少ない時間に発電した電気をほとんどロスなく送電できるようになります。
 これによって、電力貯蔵や発電設備を減らすことができ、世界的に深刻な電力不足や、発電に伴う環境問題が改善されると考えられています。


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