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 地球温暖化の原因としては、人為的に放出される温室効果ガスの影響が問題視されています。しかし、それ以外にも大気中に含まれる微粒子(エアロゾル)も地球規模の気候変動に大きな影響を及ぼしています。
 ほとんどのエアロゾルは光を散乱するのですが、そのうち限られた種類のものは同時に光を吸収して大気を加熱効果を持っています。その代表的な物質が「ブラックカーボン」です。
 ブラックカーボンは、ディーゼルエンジンの排気ガス、石炭の燃焼、森林火災、薪等の燃料やバイオマス燃料の燃焼など、炭素を主成分とする燃料が燃焼した際に主に発生するといわれています。
 アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、地球温暖化全体に占める影響のうちCO2の割合は43%、その他の要因を影響力の高い順に見ていくと、メタンガスが27%、黒色炭素(ブラックカーボン)が12%、ハロカーボン(ハロゲンを含む炭素化合物)が8%、一酸化炭素と揮発性有機物は7%となっています。

参考資料:日本地球惑星科学連合ニュースレター2007No.4 
「ブラックカーボンと地球温暖化〜ミクロな粒子による気候変化〜」(PDF)
 

 ブラックカーボンを含む雨や雪が、氷河や北極・南極の雪氷面などに降り地表の白い地域に沈着すると、太陽エネルギーの吸収率が高まります。併せてブラックカーボンによってアルベド(太陽光を反射させる白さ)が減少していき、この結果氷河や雪が融解していきます。特にアルベドの高い雪氷域では、大気中に存在するブラックカーボンの影響でも通常の地表面に比べて加熱効果が増幅されます。
 北極や南極をはじめとして、世界各国で観測される氷河や氷山の減少や消失は、こうしたブラックカーボンによる気象変動への影響が顕在化した例といわれています。
 ヒマラヤ山脈を含むチベット高原では、1960年代と比べて氷河が約20%縮小しており、このの現象は、世界全体の地球温暖化より5倍以上速いペースで進んでいるそうです。その原因としては、温室効果ガスの影響だけでなく、周辺のアジア都市部から飛来するブラックカーボンがヒマラヤ周辺の大気に取り込まれ暖かい大気の層が出現し、この層がヒマラヤ山脈の上空へと移動した結果、氷河の融解が加速しているという研究結果も発表されています。

チベット高原付近の「ブラックカーボン」の分布を映したシミュレーション画像(2009年9月26日)
出典:米航空宇宙局(NASA)「Earth Observatory」

参考資料:ディーゼルや焚き火から出る”すす”がヒマラヤ氷河の融解と地球温暖化を加速 


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