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　地球上の陸地のうち約3割を占める森林は、光合成により二酸化炭素を吸収して酸素を放出する役割だけでなく、そこで地球上の半分以上の種類の生物が暮らし、水をため込む自然のダムとしての役割等も果たしています。
　現在森林は、人間による森林伐採や環境汚染などのために、1分間あたりでサッカーコート20面に相当する面積が失われています。
　もちろん、植林や緑化活動で森林の再生活動も行われていますが、失われていくスピードのほうが圧倒的に速く、このままでは100年後には世界中の熱帯雨林が全て無くなるとも言われています。
　この深刻な問題の原因としては、「人口増加と貧困に伴う森林の農地・牧草地化」「人口増加に伴う薪炭材利用の増加」「森林の回復を伴わない非伝統的焼畑農法」「森林火災」「世界規模での木材消費量の増大」「先進国による不適切な商業伐採」「酸性雨による被害」等があげられています。

【世界の森林面積の年当たりの変化率(2000~2005年)】
出典：環境・循環型社会・生物多様性白書平成21年度版

　森林破壊により世界各地の森林がなくなると、今まで木々によってもたらされた恩恵がすべてが止まることになります。
　例えば、森林による雨の吸収・保水・再生が行われなくなると、雨は濁流となって地表面を流れ、洪水やがけ崩れなどの災害が発生するとともに、土壌表面の土や養分も押し流されて土壌侵食にもつながります。
　また、森林に暮らす生き物の生態系バランスが崩れて、多くの動物や植物が絶滅する可能性があります。その結果として、現在恩恵を与えてくれている生物資源だけでなく、未知の可能性を持つ遺伝子資源までも地球上から永久にいなくなってしまうことにもなります。
　光合成も行われなくなり、大気中の二酸化炭素が吸収されずに地球温暖化が加速したり、気温の上昇に伴い砂漠化が進行していきます。
　最終的には地球上の生物が快適に生きることのできないような環境破壊につながることも予想されています。