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 土壌は、人をはじめとする生物が生きていく上で大切な資源の一つです。物質の循環や生態系の維持を支える役割をはじめ、環境として土壌が果たしている機能は多岐に及びます。
 土壌侵食によって土壌の機能が損なわれると、食物生産量の落ち込み、水質悪化、生態系の破壊、土地の砂漠化等につながります。また、表土が流出することで植物が育たなくなった土地では、光合成の効果も減少し大気中のCO2が増加していきます。
 ヒマラヤ、アフリカなどの山岳地帯、インド、中国などの半乾燥地帯では過放牧、過度の森林伐採、不適正な農業、大規模開発等が原因となって、降雨などによる土壌侵食が深刻化しているそうです。
 また、世界有数の食料輸出国アメリカでも、毎年1%のペースで農地が侵食によって失われているそうです。

土壌浸食が発生している農地
(出典:農林水産省HP 農地保全整備事業)

 国内でも土壌侵食の被害は問題となっており、北海道のオホーツク沿岸地域では毎年のように4月下旬から5月上旬に猛烈な風食によって農業被害が生じているそうです。沖縄では、パイナップル畑の土壌が豪雨で流されてサンゴ礁の海岸線に流失してサンゴ白化の原因にもなっているようです。
 この他、傾斜地に存在する大規模野菜産地では夏期の豪雨によって流亡した土壌が下流の河川などを汚染したり、耕作放棄された棚田や段々畑の法面が崩壊するといった被害も増えています。

参考資料:環境白書 第3節 土壌環境・地盤環境の現状 
 参考資料:環境保全型農業レポート No.46 アメリカ 耕地からの土壌侵食の実態  

 日本は傾斜地が多く多雨なので土壌侵食の影響を受けやすいのですが、充分に保全管理された森林や水田の働きによって、表土流出防止が図られています。
 しかし、近年の農山村の人口減少等により、充分な保全管理がなされていない水田や森林が増えて、土壌侵食防止効果が低下していることが問題視されています。 
 森林は落枝落葉やかん木、草などによって地表が覆われており、これによって降雨が地表面を直接打たないようにするため、降雨や強風等による土壌の侵食や流出を防ぐことができます。また、地表面を保護する効果もあり、乾燥の防止や土壌の削磨を防止する役割も果たします。
 水田は作物を栽培することによって、周囲のあぜ道の補修、有機物の投入による土壌の膨潤化や農地面の平坦化が行われており、また植えられた植物の葉や茎が雨滴や風の影響を和らげてくれます。
 こうした効果により土砂の流出や飛散を抑制できる森林や水田の重要性が、土壌侵食防止の面からも再評価されつつあるようです。

参考資料:国土交通省中部地方整備局豊橋河川事務所:森林や農地の保水機能等の評価 


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