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 エチゼンクラゲは、今から約90年前(1920年)に福井県高浜町音海沿岸に設置された大型定置網で確認され、その場所が越前地方(福井県)であったことから命名されました。
 以前は数十年に一度の珍しい現象だった大量発生が毎年のように起こるようになった原因としては、クラゲの発生源とされる中国大陸沿岸での開発進行で海水の富栄養化が高まり、クラゲのえさとなるプランクトンが増加したこと、周辺海域の漁業資源の乱獲でえさを取る競争相手の魚が減るなどしたことが原因と考えられています。
 この他にも、日本近海の沿岸開発による自然海岸の喪失でクラゲに適した環境になった、地球温暖化などにより冬場の海水温上昇でクラゲになる前の幼生段階での細胞分裂が促進され個体数が増える傾向にあるなどの説も考えられています。
 いずれにしても、エチゼンクラゲの生態についての研究がほとんど行われてこなかったため、大量発生の原因はどれも仮説段階で、今後の詳しい研究による真相の解明が待たれています。

参考資料:独立行政法人 水産大学校 第10回水産大学校公開講座 

 毎年のように大量発生を繰り返しているエチゼンクラゲは、「巨大な群れが網に入り漁具を破損」「クラゲを取り除く労働力の増大」「他の魚介類の入網を妨害」「クラゲを追い出すために網を下げることによる漁獲物の流出」など、底曵き網や定置網による漁業の妨害となっています。
 また、エチゼンクラゲの毒の影響で一緒に捕らえられた本来の漁獲目的の魚介類の鮮度が下がり、商品価値が失われる被害も出ています。
 さらに、福井県の旧国名である「エチゼン」の名をもつクラゲが大量発生したニュース等で大きく取り上げられたことにより、福井県だけに異常発生しているように誤解されるという風評被害もでています。実際には日本海沿岸だけでなく、反対の太平洋沿岸にもエチゼンクラゲの大量発生による被害は広がっています。
 こうした、深刻な漁業被害をもたらすエチゼンクラゲを、カワハギの仲間で食用魚の「ウマヅラハギ」に食べさせて退治する研究が島根県の民間研究機関で行われており、すでに実験による効果は実証されているそうです。

ウマヅラハギに食べられるエチゼンクラゲ


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